登场者プロフィール
赤林 英夫
経済学部 教授専門:教育経済学、家族の経済学、労働経済学、 1988年 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修士課程修了、 1988-90年 通商産業省 係員?係長、 1996年 シカゴ大学経済学部博士課程修了、 1995-96年 マイアミ大学ビジネススクール経済学科 客員講師、 1996-97年 世界銀行 コンサルタントエコノミスト、 1997-2006年 慶應義塾大学経済学部 助教授、 2006年-現在 慶應義塾大学経済学部 教授、 2010年 株式会社ガッコム創業?代表取締役社長(2017年より代表取締役会長)、 2017年-現在 慶應義塾大学経済研究所こどもの機会均等研究センター長、 ※プロフィール?職位は掲載当時のものです
赤林 英夫
経済学部 教授専門:教育経済学、家族の経済学、労働経済学、 1988年 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修士課程修了、 1988-90年 通商産業省 係員?係長、 1996年 シカゴ大学経済学部博士課程修了、 1995-96年 マイアミ大学ビジネススクール経済学科 客員講師、 1996-97年 世界銀行 コンサルタントエコノミスト、 1997-2006年 慶應義塾大学経済学部 助教授、 2006年-現在 慶應義塾大学経済学部 教授、 2010年 株式会社ガッコム創業?代表取締役社長(2017年より代表取締役会長)、 2017年-現在 慶應義塾大学経済研究所こどもの機会均等研究センター長、 ※プロフィール?職位は掲載当時のものです
伝统的経済学の殻を破って家庭と教育の関係性に迫る
最近、経済格差の拡大の悬念と学校制度への不信を背景に、日本のみならず多くの先进国で、家庭が子どもの教育にお金をかけることに热心になってきました。
経済学は、教育を『投资』と见なし、かけるコストと见返りとなるリターンを踏まえて教育をすべきだと考えてきました。それが教育経済学の出発点です。コストを払える家庭のみが教育投资を行うことができることから、家庭の経済格差が教育格差に繋がることも悬念され、多くの国で、政府による低所得家庭の子どもへの金銭的支援などもなされています。
しかし、子どもにお金をかければ、教育の成果は出るのでしょうか?
実际、お金を払って塾に行かせて「勉强しなさい」と言っても、「そんな勉强何の役に立つの」「ぼく勉强したくない」と言われたら、それで终わってしまいます。
そもそも、家庭には、子どもの教育にお金を使う以外の役割があるはずです。亲の役割とは何か、家庭では何が起こっているのか、それらがわからないと、教育と家庭の関係はつかめません。しかし、亲子関係などという曖昧なものは、既存の教育経済学の枠组みでは捉えることができませんでした。
私たちの研究グループでは、教育経済学、家族の経済学の研究に、社会学や心理学の研究成果、すなわち行动経済学的な视点を加えるように努力しています。これは、世界的な研究の潮流となっており、私たちも、问题意识を共有する研究者と、国や分野を超えて共同研究活动を行っています。
グローバルとローカルの视点の重要性
特にこの10年、私は、グローバルとローカルの両方の视点で研究を进めてきました。
グローバルとは日本を海外の国と比较しつつ研究を行うことですが、そもそも、家庭教育に関して、国际的に比较可能な子どもの追跡データが日本になかったため、データ収集から始めました。私たちは、2010年より、全国の小学1年生から中学3年生の子どもたちを対象に、アンケートと学力テストを行い、「日本子どもパネル调査」として研究者に公开してきました。それを通じて、欧米や中国の研究者と共同で、家庭と子どもの教育の関係についての比较研究を実施しています。
ローカルの视点では、日本の家庭を対象にした実験も进めています。どういう条件が揃ったら、子どもは勉强しようと思うのか?どういう状况であればお小遣いが欲しいと思うのか?亲の言动や家庭背景が、子どもの行动にどんな影响を与えるのか?これらの问いに対し、既存の経済学は明确な答えを出していませんでしたが、私は経済実験的アプローチで解明を试みています。この取り组みは、世界的に见ても珍しいです。
私は2017年に、庆应义塾大学経済研究所に外部资金に基づいた「こどもの机会均等研究センター」を设置し、内外の研究者や団体と连携しながら、调査への协力者に学术研究への理解を求め、研究成果を発信するプラットフォームとして活用しています。これからも、理论、データ、実験等のあらゆる手法やアプローチを駆使し、国际的视野を持ち、家庭や社会が子どもへの教育と次世代に与える影响の谜に迫っていきたいと考えています。
学生へのメッセージ
学生の皆さんにとって、家族とはもっとも身近な経済主体であり、教育とは最も身近な経済活动です。しかし、社会におけるそれらの意味を考え、解明するためには、経済理论の深い理解、データを见て分析する能力、そして社会の现実を国际的视野で解釈することが必要で、実は简単なことではありません。関心のある人には、是非この分野に飞び込んで欲しいと思っていますし、その过程で学んだ素养は、社会のどのような场所でも有益となるでしょう。
いずれにしても、学生には、目先の流行にとらわれずに、自分が勉强したい课题、追求したいテーマに身を投じてほしいです。うわべの勉强でつけた知识はすぐに陈腐化しますが、本気で取り组んだ结果得られるスキルは一生の财产になります。大学は、皆さんが社会に出る前に、真に自由に知的活动が可能な场所です。是非、大学でしかできない勉强やテーマに取り组んで欲しいと思います。
(2021年12月掲载)